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金井宇宙飛行士の帰還で見る国際宇宙ステーションから地上へ戻るまで。

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JAXAチャンネルより

2018年6月3日(現地時間6時39分―日本時間21時39分)金井宇宙飛行士がカザフスタン共和国にソユーズ宇宙船で帰還しました。金井宇宙飛行士と共にアントン・シュカプレロフ(ROSCOSMOS)宇宙飛行士とスコットティングル(NASA)の計3名が帰還しました。

金井宇宙飛行士は第54次・55次長期滞在クルーとして、2017年12月17日から宇宙に168日間滞在しました。

国際宇宙ステーションから地球上に帰還する際にはソユーズ宇宙船で帰ってきます。

地球到着に向け8時間前から帰還開始

ISS(国際宇宙ステーション)からソユーズ宇宙船への移動は7時間半くらいまえから開始されます。6時間くらい前になるとソユーズ宇宙船への移動が完了し、ハッチを占めます。そして着陸3時間前にISSからアンドッキングします。ハッチを占めてから案ドッキングまで3時間もあるわけですが、この間に機器や宇宙船の最終チェックを行い、宇宙船の中で宇宙服に着替えます。

 

アンドッキングしてから2時間くらい地球の周回軌道を回り、着陸から50分くらい前に軌道離脱のためにエンジン噴射し、大気圏突入に向け進路を向けていきます。26分前には、ソユーズ宇宙船の軌道モジュール・機器推進モジュールを切り離し、帰還モジュールだけにして大気圏再突入に向かいます。大気圏に再突入する高度は地上から80㎞程度のところになります。

再突入の際には0.1Gくらいの重力ですが、最大で4Gほどになるといいます。

着陸から18分前にパラシュート格納蓋を分離してドローグシュートと呼ばれる原則用のパラシュートを展開し、減速したのちメインの大きなパラシュートを展開します。途中で大気圏再突入の際の熱から帰還モジュールを守るヒートシールドを分離して、着陸に向かいます。

着陸2秒前には軟着陸用にジェット噴射を行い、着陸の衝撃をやわらげます。

着陸後は、サポートチームがヘリコプターなどで着陸位置に向かい、宇宙飛行士を帰還カプセルから運び出します。長期間宇宙にいると地球の重力の重さで直ぐには歩けないといいます。舌ベロにも重さを感じるため、うまくしゃべれないこともあるようです。

このあとはヘリコプターでカラガンダの空港に移動します。アンドッキングからは実に3時間程度で400㎞上空の宇宙から地上まで帰ってくることになります。

(imagecredit JAXA/NASA)

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